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中小企業の採用

新卒採用を初めてやる中小企業が、最初の1年でやること

新卒採用を始めたいという相談は年々増えています。ただ、中途と同じやり方で臨むとほぼ失敗します。最初の1年の現実的な目標と、やることの順序を書きます。

「新卒を採りたい」という相談は、中小企業から確実に増えています。中途の採用単価が上がり続けているので、経営判断としては合理的です。

ただ、新卒採用は中途採用の延長ではありません。動く時期が固定されていて、選考の基準も、採ったあとの前提も違う競技です。ここを混同すると、1年目でつまずきます。

新卒採用は、中途と別の競技

違いは大きく3つです。

  • 時期が決まっている。学生の動く時期に合わせないと、そもそも会えません
  • 即戦力ではない。採用は投資で、回収は数年後。育てる前提がない会社に新卒は向きません
  • 親と学校が意思決定に関わる。特に地方では、親の同意が実質的な条件になります

最初の1年の、現実的な目標

1年目の目標は「複数名を採る」ではありません。1名採れれば成功、0名でも学生と接触できていれば前進という設定にしておくのが現実的です。

初年度は知名度も実績もなく、学生から見れば選択肢に入りにくい。ここで無理に数を追うと、条件を盛る、誰でも通す、といった判断に流れます。それは翌年の早期離職として返ってきます。

初めての新卒採用の1年目は、採用人数より「翌年に使える型と接点が残ったか」で評価したほうがうまくいきます。

時期から逆算して、やることを並べる

新卒採用は時期が固定されているので、逆算で組めます。※広報・選考の解禁時期は年度によって変わるため、着手年の最新スケジュールを必ず確認してください。

  • 始める前:受け入れ側の準備。誰が教育を担当するか、最初の3か月で何をやらせるかを決める。ここが決まっていない状態で募集を始めてはいけません
  • 広報開始まで:採用したい人物像の言語化、募集要項、学生向けの説明資料。中途向けの求人票をそのまま使うと、まず読まれません
  • 広報期:学校との関係づくり、合同説明会、インターン。地方では学校のキャリアセンターとの関係が効きます
  • 選考期:面接。学生は社会人経験がないので、経歴を問う質問はほぼ機能しません。聞くのは考え方と、学ぶ姿勢
  • 内定後〜入社まで:ここが最長で、いちばん辞退が出ます。定期的な接点を設計しておく

私が支援した会社の初年度の結果は、新卒3名の採用。当初の採用計画に対して、100%の達成でした。

1年目にやらなくていいこと

限られた時間と予算を、初年度から広く使う必要はありません。

  • 立派な採用サイトを作る。1年目は説明資料とページ1枚で十分。作り込むのは訴求が固まってから
  • 大規模な合同説明会に出る。ブースの規模で大手に埋もれます。学校単位の小さい接点のほうが効率がいい
  • 初任給を相場より上げる。金額で勝つ勝負に持ち込むと、既存社員の給与体系まで崩れます

まとめ

初めての新卒採用は、受け入れ側の準備を先に決めることから始まります。誰が教え、最初の3か月で何をやらせるか。ここが空白のまま採ると、採用より深刻な問題になります。

そして1年目の評価は人数ではなく、翌年に引き継げる型と学校との接点が残ったかどうか。新卒採用は単年で完結しない取り組みです。

川崎 祐輝
AUTHOR

川崎 祐輝

合同会社MONONOFU 代表

神戸製鋼、リクルートを経て独立。支援20社以上。中小機構の採用支援、兵庫県経営者協会のリーダーシップ研修 運営委員に携わる。著書に『地方企業の採用は"口説き方"で決まる』

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